リレーエッセイ/第3回
再生つばさの会事務局 関 つたえ
再生つばさの会事務局 関 つたえ
血液難病や小児ガンなど長期入院を必要とする患者さんと、その家族のための滞在施設を作ろうと「BMTハウスサポートの会」を設立し、数年前から活動してきました。そのひとつ、伊勢原市・東海大学病院施設内の「かもめの家」では、毎週水曜日に昼食会が開かれます。協力しているのは、「再生つばさの会」のメンバーやボランティアの人たちです。
「過酷な治療に向き合う子どもやお母さんがホッとできる空間を作りたい」…そんな私達の願いから、多くの人の協力で施設ができ、仲間が集まり、手伝ってくれる。やはり仲間の存在は、元気の素ですね。そして、子どもたちやお母さん方が元気になってくれるのを見れば、私ももっと元気になれる。ボランティアの人たちも素敵な笑顔になる。「元気」が行ったり来たりしてうまくいっている気がします。私の元気は、みんなにもらった元気だと思います。
お医者さんや専門家に学んだり、ワークショップに参加して他の患者会とつき合って気づくこともたくさんあります。こうして知り得たことや、いろいろな人からもらった元気を、また人に伝えるのが私の「仕事」かもしれない。そんな気がしています。以前は、おせっかいはやめようと考えていましたが、今は、嫌われてもいいから言うべきことは言う、おせっかいも時に必要だと思っています。それは、ある若い患者さんが、薬をのんでいないことに気がついていたのに、おせっかいだと思って薬をのむように助言せず、結局、その人が亡くなって後悔したつらい経験があるからです。
何かきっかけがあれば、もっと元気になれる人はたくさんいるはず。おせっかいでも、そんなきっかけを見つけてあげたいと思うのです。自分の病気をよく知り、うまくつき合っていけば、できることはいろいろあります。私自身、病気のことばかり考えていると世の中のことがわからなくなると思い、数年前から、お年寄への弁当配達をしています。ここでも、教えられることは多く、元気をもらっています。そして、もらった元気はまた、みんなに返していく…。元気は与えてもらうもの、与え合うものだと思います。