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活動レポート第16回(2008)

活動レポート第16回(2008)

2008年の夏から秋にかけて、5つの地域で学習会が開催されました。災害対策、広報誌製作、模擬発表など、1つの議題について具体的に話し合った学習会や、10月に行われたワークショップのテーマ「つたえる」について引き続き話し合った学習会など、各地域の活動を活性化させるための話し合いが行われました。

第6回 沖縄学習会 in 沖縄(8月11日)
ホームページよりもまだまだ主流
広報誌のつくり方を基礎から学ぶ

最初に、7月13日に東京で行われた地域学習会報告会へ参加した2名が感想を発表しました。「敏腕のリーダーさんが集まっている感じで、最初は場違いな所に来てしまったと(笑)。ただ九州学習会の”患者学啓発劇(寸劇)“を見てすごく刺激を受けました」「黙っていないでわからないことは聞くという姿勢を学びました」。受け身の参加から、リーダーの自覚をもって積極的に参加することが沖縄学習会の課題でもあるので、報告会への参加はいい体験になったようです。さて、今回のテーマは「広報誌をつくろう」。『てぃんさぐの会』の照喜名重寿さんを講師に広報委員をつくり編集担当者を1名設置(交替制がよい)、原稿依頼の仕方、原稿内容の確認、行事記事への5W2Hの記入、写真の扱いについて(掲載の承諾や不可欠なキャプションなど)基礎から学ぶことができました。実際に発行されている広報誌の構成進行表やレイアウト用紙、会の表紙や誌面レイアウトをプロが手直ししたものなど、一目で効果がわかる資料なども用意。その後2人1組で実際にA4サイズ・4ページの誌面作りに取り組みました。発表ではタイトルのスペースや写真の配置、見開き誌面の有効な使い方など、さまざまなアドバイスや意見交換が行われました。

参加団体
沖縄IBD/全国膠原病友の会沖縄支部/ 全国パーキンソン病友の会沖縄県支部/ もやの会沖縄ブロック/てぃんさぐの会/ チャレンジド沖縄/日本ALS協会沖縄県支部/ 沖縄県難病相談・支援センターNPO法人アンビシャス

第12回 関西学習会 in 大阪(8月16日)
模擬発表とその検討
活動の見直しと展望について話し合う

患者の声を医学教育に組み込むプロジェクトにそって、プラダーウィリー症候群(PWS)の「竹の子の会」副会長の西村章さんが約1時間の模擬発表を行いました。PWSは染色体の異常から新生児期の筋緊張低下などに始まり、幼児期から生涯にわたって続く過食による肥満、発達遅延などが特徴です。西村さんは患者の父親として、子育てを通して体験してきた発達段階での症状、親子の葛藤、医師や学校の無理解、それを改善するための働きかけなどを語り、妄想癖が出たときのお話では、「父の職業はある日、空飛ぶ寿司職人になっていた」など、身近なエピソードをユーモアたっぷりに披露しました。検討会では「深刻な病気なのに明るく話されるのがよかった」「プレゼンテーションソフトを使わないことで逆に話に集中できた」などの意見が出たほか、医療者と患者間の信頼関係づくりを会のテーマとしてきたことから、「模擬発表は自分を語ることの大切さ、難しさが実感でき、さらに伝える場が広がった。もっと磨いていきたい」という感想もありました。その後、学習会の活動の見直しと今後の展望についてを議題に「行政に訴えるための活動をしてはどうか」、「会の運営方法の勉強会をしたい」などの意見交換が行われました。

参加団体
小さないのち/大阪・ひまわりの会/ ひょうごセルフヘルプ支援センター/ 口唇口蓋形成不全ネットワーク(大空会)/ 腎性尿崩症友の会/あけぼの兵庫/全国膠原病友の会滋賀支部/ 日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)/ 発達障害を持つ大人の会/ NPO法人日本マルファン協会/ しらさぎあいあい会/竹の子の会/ いこいの場ひょうご:ドリームズファクトリー

第13回 東北学習会 in 仙台(8月16日)
岩手・宮城内陸地震の教訓もふまえて災害対策への取り組みを話し合う

第13回東北学習会が、仙台市市民活動サポートセンターにて開催されました。

東北学習会では、宮城県沖地震など災害への危機意識が高いことから、要援護者の災害対策に一貫して取り組んできました。今回もまず、(財)仙台市身体障害者福祉協会の渡邉純一さんが「災害に備えた取り組み事例」の報告を行い、「災害対策の在り方に関する提言のとりまとめと具現化」「災害時における専門ボランティア活動計画の策定」「仙台市総合防災訓練」と、岩手・宮城内陸地震の教訓として、要援護者の安否確認や登録システムの検討、地域社会との連携の必要性などについて述べました。

次に、参加者が各団体の災害対策における課題や取り組みを発表しました。2008年6月14日に岩手・宮城内陸地震が起きた際、災害対策の必要性を実感した人も多く、各団体が直面する問題について具体的な意見交換が行われました。東北学習会運営委員の阿部一彦さんは「私たちが総合防災訓練に多数参加したことによって、行政などの反応も積極的になってきた。やはり行動することは大切だと思う」と述べました。

最後に、7月に行われた地域学習会報告会について東北福祉大学感性福祉研究所の今泉修さんが報告を行い、東北学習会としては今後も、災害対策に取り組んでいくことを確認して閉会となりました。

参加団体
台市障害者スポーツ協会/ ピンクのリボン/乳腺患者会/ 宮城コンチネンス勉強会/ (社)日本オストミー協会仙台支部/ 宮城県腎臓病患者連絡協議会/ 東北白鳥会/仙台ポリオの会/ 仙台市視覚障害者福祉協会/ (財)仙台市身体障害者福祉協会/ 東北福祉大学感性福祉研究所

第12回 関東学習会 in 東京(9月28日)
「つたえる」をテーマにワークショップの事前討論を実施

第12回関東学習会が東京のファイザー本社で開催されました。

学習会の前半は、若年性関節リウマチの子どもを持つ親の会「あすなろ会」事務局担当理事である石垣成子さんが、専門医が少ないなど医療に関する問題や、子ども特有の病気に対する課題への取り組みなど、活動紹介を行いました。今後は、児童期や思春期の患児との関わり方や日常生活の問題を、医療機関、学校、社会に向けて広く訴えていきたいと述べました。

後半は、2008年10月25日・26日に開催されるヘルスケア関連団体ワークショップのテーマ「『つたえる』~正確な情報を伝えたい人たちに~」を取り上げ、2つのグループに分かれての意見交換や情報交換が行われました。ヘルスケア関連団体が行っている講演会の一般公開、マスメディアの利用、学会への参加など、地域や社会に向けて伝えたいことを「つたえる」ために、各団体がどのような活動を行っているのか紹介し、すでにテレビや新聞で紹介された団体メンバーからは、その反響についての報告がありました。その後、「誰に伝えるか」「確実に伝えるためには?」など、「つたえる」ことの原点に迫るような問題提起もあり、関心の高いテーマについて有意義な討論会となりました。

参加団体
社会福祉法人小茂根の郷/ 中枢性尿崩症の会(CDIの会)/ NPO法人日本IDDMネットワーク/ 日本コンチネンス協会/ ポリオの会/ NPO法人楽患ねっと/ 全国CIDPサポートグループ/ CMT友の会/ (社)全国脊髄損傷者連合会/ (社)日本オストミー協会/ ポプラの会/あすなろ会

第4回 北海道学習会 in 札幌(11月1日)
厳しい地理的条件を乗り越えてネットワークづくりを目指す

札幌の北海道難病センターで第4回北海道学習会が開催されました。北海道学習会では交通事情が悪いことや積雪量が多いことで冬季開催が難しく、ネットワークの充実が課題となってきました。今回は北海道難病連や全国組織のヘルスケア関連団体の協力を得て、多くの団体や支部に参加を呼びかけた結果、学習会への参加率が上がり、活発な意見交換がされました。

学習会では、団体紹介を兼ねた自己紹介のあと、2グループに分かれて団体運営の課題や2008年度ワークショップのテーマ「つたえる」について話し合いが行われました。Aグループでは、後継者の養成やリーダー交代のタイミング、インターネットの活用方法などが共通課題として確認されました。

良い事例としてインターネット、会報誌、交流会などをバランスよく活用して若い世代も積極的に活動している団体が紹介されました。

最後に、参加者からは「このように異なる団体のメンバーが集まり、情報交換や意見交換を行うことの重要性を実感した」「地域学習会の存在を知ってよかった」「若い世代の考え方を聞くことができて新鮮だった」などの感想が述べられました。

参加団体
北のポリオの会/(財)北海道難連/ 北海道脊髄小脳変性症友の会/ 全国CIDPサポートグループ北海道支部/ (社)日本リウマチ友の会北海道支部/ 社会福祉法人 公和会/ 北海道多発性硬化症友の会/ 個人参加難病患者の会「あすなろ会」

第7回 沖縄学習会 in 沖縄(11月8・9日)
講師を招いて泊りがけの学習会を開催
「つたえる」ことの大切さについて話し合う

ウェルサンピア沖縄にて、「つたえる」をテーマに沖縄学習会が開催されました。初の試みとなる泊りがけの学習会で、最初に九州IBDフォーラムの中山泰男氏が、伝えたいテーマを明確にするポイント、人脈を拡大するといった伝えるために必要なスキル、正論が通らなかった失敗事例など“伝えることの大切さ”について講演を行い、「一患者会の意見だけを伝えるのではなく、これからは共生・共感・協働の視点を持ち、障がい全体について社会にアピールしていくことが大切である」と語りました。その後、講演の内容を受けて2グループで話し合いが行われました。翌日のまとめでは、自分自身を広告塔にしてメディアに出演している事例の紹介、完成度を上げるためにホームページやポスターの制作をプロへ依頼することへの検討、伝えたいことが伝わったか確認することの重要性などについて発表されました。最後に今後の方針や、自分の団体アピールの模擬発表など、全員で検討するプログラムが決められました。

参加団体
北のポリオの会/NPO法人アンビシャス/ てぃんさぐの会/沖縄IBD/ 全国パーキンソン病友の会沖縄支部/ 日本ALS協会沖縄県支部/ 日本オストミー協会沖縄県支部/ 九州IBDフォーラム/ もやの会(もやもや病の患者と家族の会)沖縄ブロック