その3 リラクセーションのすすめ
臨床心理士 黒岩 淑子
佐賀大学保健管理センター(職員カウンセラー)
佐賀公共職業安定所(心理カウンセラー)
佐賀県スクールカウンセラー
リラクセーションのすすめ
人は、新しい職場での仕事など慣れないことに取り組む時は緊張することが多く、一方、習熟し、安心した状態ではリラックスできるものです。緊張した状態では、筋肉に力が入り、筋肉に取り囲まれている血管が圧迫され、血行が悪くなります。その状態が長く続くと肩こりという形で表れ、それを放置しておくと、頭痛や吐き気、耳鳴り、難聴などの症状も出てきて、突発性難聴、メニエール病等に進行してしまうこともあります。 そこで、緊張した後は、すぐにリラックス法を実施して力を抜き、緩めておくことが大切です。そうすることにより、先ほどのような症状に進行することを防ぐことができます。 このようにリラックス法を使って体を緩めることをリラクセーションと言います。 リラックスする方法には、入浴、マッサージ、アロマ、ヨガ、お茶など日常生活で行っているいろいろな方法や自律訓練法などいくつかの治療法がありますが、今回は催眠法から発展してきた、動作法の中のリラックス法と、ジェイコブソンによって開発された漸進性弛緩法を紹介したいと思います。
A B どちらのリラックス方法も、回数は体調に合わせ、リラックス感が得られたら終わりとして結構です。
いすに座って仕事をする人は A の方法を職場でも実施できますし、寝たきりの人にも B の方法でリラックス感を得てもらうことができます。子どもの場合も肩の上下などの形を真似ることからリラックス状態を理解させることができ、幅広い領域で利用できる方法です。自律訓練法を体得できる方は同じリラックス効果が出ますので、いずれか自分に合った方法で緊張をほぐし、健康を維持していかれてください。