CLOSE

このサイトは、ファイザー株式会社が社会貢献活動として発行しております『まねきねこ』の情報誌のウェブ版です。
まねきねこの郵送、もしくは郵送停止はこちらからご連絡ください。
なお、個別の疾患の相談は受け付けておりません。

お問い合わせはこちら

※メーラーが起動します。

私の元気の源は、ポジティブな気持と、
よい医師との出会い、そして家族、仲間

リレーエッセイ/第8回 アースラィティス・ファウンデーション
(Arthritis Foundation=アメリカ関節炎基金) タズコ・ファーガソン(Tazuko S.Ferguson)

アースラィティス・ファウンデーション
(Arthritis Foundation=アメリカ関節炎基金)
タズコ・ファーガソン(Tazuko S.Ferguson)

30年前、私は"原因不明の病気“でアメリカ・マディソンの自宅で車椅子の生活を送っていました。母親として子どものために昼食を用意しなければなりませんでしたが、自分でフォークを持ち上げることすらできなかった私は、息子がお昼に学校から戻って、昼食の用意を手伝ってくれるのを待つことしかできない状態だったのです。発病から2年間、さまざまな病院へ行っても何の病気かはわからず、精神疾患ではないかと診断されたこともありました。でも、私は何か身体的にきっと悪いところがあるはずだと感じていました。幸いながら家族が支えてくれたため、ポジティブな気持ちを失なわずに過ごせました。

その後、リウマチ専門医であるキャロリン・ベル医師に出会い、数回にわたる検査の後、関節リウマチと変形性関節症と診断されたのです。ベル医師は膝の手術後、薬物療法やストレッチや温水でのエクササイズ、作業療法などを含んだ併用療法の治療計画を作ってくれました。治療生活にはさまざまな困難が伴いましたが、驚いたことに併用療法を始めて数か月で、私は再び杖を持って歩けるようになったのです。めざましく回復することができたのは、常にポジティブに考えてきたこと、ベル医師と出会い、正しい診断と適切な治療を受けられたこと、そして家族の大きな協力のおかげだと信じています。

また関節炎と診断されてから、アースラィティス・ファウンデーションを知り、病気についてさらに詳しい情報を得ることができ、精神面やその他いろいろな面でサポートしてもらいました。その経験から、患者をサポートするボランティアや、病気に対する研究と医師への教育など、こうした患者団体の活動の大切さを実感し、私も、患者をサポートしたり助言したりすることをライフワークにしようと決意し、活動を始めて20年以上になります。他の人の痛みが早く解消できるようにとお手伝いするうちに、私自身がさらに元気になってきたように感じています。アースラィティス・ファウンデーションでボランティアをしていること、そこでのさまざまな仲間たちとの出会いも、私の元気の源になりました。

現在、銀行に勤めながらアースラィティス・ファウンデーションのサウスウエスト地区の役員を7年間務め、ウィスコンシン・アドボケイド・ネットワークでも活動しています。サウスウエスト地区の政府関係の委員会(the Government Affairs Subcommittee)や国際ヘルスケアアドボケイドのプログラム委員会の活動にも時間を見つけて携わっています。議会にも「関節炎の研究と医師への教育を支援して専門医を増やせば、もっと多くの人が元気になって、働くことができるようになり、納税者となって、社会に貢献できます。私自身がその証明です」と訴え、関節炎の予防や管理、団体の活動などのために多額の補助金を得ることができました。

私には、痛みがあり、関節炎があります。また杖を使うときがくるかもしれません。でも、もう関節炎に支配されることはありません。今の私は、絶えず関節炎に関するリサーチや疾患啓発に努め、他の人との情報交換を行い、病気の克服に成功したという自信があるからです。そして家族や多くの友達に感謝しながら、元気に生活し、働き、毎日を楽しんでいます。病気に苦しむ仲間たちがもっと元気になることができるように、アースラィティス・ファウンデーションの活動を続けていきたいと思っています。

アースラィティス・ファウンデーション(Arthritis Foundation)
アースラィティス・ファウンデーションは、全米最大規模の関節炎の研究・患者支援・社会啓発を行う非営利組織です。

日本のヘルスケア関連団体に比べると、その活動はとても幅広く、資金力があり、社会に対して大きな力を持っているのが特徴です。寄付やボランティアを積極的に行うアメリカの国民性も反映しているようですが、一般市民が楽しみながら参加できるようにイベント開催にも工夫を凝らすなど、アースラィティス・ファウンデーションのユニークな活動方法も、団体としての成功の理由だと考えられます。

現在は、「ジングルベル」というスポーツ大会、ワインティスティング・パーティ、ゴルフ大会、ラジオ・キャンペーンなどを開催しており、楽しいイベントによって資金を集め、それを活用して、また多くの患者さんの支援活動を展開するという、理想的な流れが実現しています。

ジングルベル(Jingle Bell)
ジョギングやウォーキングなどのスポーツ大会。参加者は、参加費に応じてシャツ、キャップなどのJingle Bellのキャラクターグッズを身につけてプログラムに出場し、スポーツを楽しむことで、気軽にアースラィティス・ファウンデーションの活動に協力できる仕組みになっています。タズコ・ファーガソンさんの勤務先であるアンカーバンクが、メインスポンサーになっています。

ワインティスティング・パーティ
ワインと料理を楽しめるパーティ。地元のラジオ局や企業、ショップ、弁護士などがスポンサーとなり、酒店やワイン用品のメーカーなどが商品を寄付し、一般市民が有料で参加します。オークションや抽選などもあり、参加者は楽しみながらアースラィティス・ファウンデーションの活動の支援をすることができます。昨年は、ワイン以外にカリフォルニア産の日本酒のティスティングや、すしを用意したのがとても好評で、多くの人が参加し、多額の資金を集めることもできました。