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公認心理師

ヘルスケア 仕事探訪 第2回

公認心理師

うつや不安などの心の問題に寄り添い、解決をサポートする専門家

心理に関する資格の中で唯一の国家資格

近年、新聞やテレビ、ネットニュースなどで、「心のケア」という言葉を頻繁に見聞きするようになりました。自然災害や青少年犯罪、重大な社会的事件などでは、精神的なサポートが必須ということなのでしょう。公認心理師は、心に悩みを抱えている人(クライエント)の話を聞き、心の専門家としての視点から指導やサポートを行う仕事です。2017年、公認心理師法が施行され、心理に関する資格の中で、唯一の国家資格となりました。

発足から6年あまりの新しい資格ですが、公認心理師は法律上で定められた「心理査定(アセスメント)」「心理面接(カウンセリング)」「関係者への面接」「心の健康に関する教育・情報提供活動」の業務を担っています。

公認心理師の資格ができるまでは、臨床心理士が心のサポートの最前を担ってきました。民間の認定資格でありながら、実績のある資格で、それぞれの業務は重複することも多くあります。

保健・医療、教育、産業・ 労働、福祉、司法・犯罪など幅広い領域で活躍

公認心理師は、保健・医療、教育、産業・労働、福祉、司法・犯罪などの5領域にまたがって働いています。保健・医療では、たとえば精神科病院においては、うつ病や統合失調症などの患者さんに対する心理検査やカウンセリングを行います。

教育では、学校に勤務するスクールカウンセラーとして、主に不登校やいじめ、友人・家族関係、発達障害などに対し、適切な助言を行います。産業・労働では、働く人の心の健康問題についてサポートし、ハラスメント(いじめやいやがらせ)に関する個別相談や、外部医療機関との連携を図ることもあります。

福祉では、虐待への対応を中心とする児童相談所での相談業務など、司法・犯罪では、少年非行にかかわることもあるため、法務省や裁判所、警察などとの関連が強い業務となります。

その他にも、大きな災害が発生した場合などは、強いストレスや絶望感に悩む被災者の心のケアを、自治体や保健師、精神科医などと連携を図りながら行っていきます。

社会の変化をキャッチし新しい知見を 学ぶ意欲が必須

カウンセリングでは、ありのままの相手を受け入れ、共感する姿勢が大事です。また、個人を見るだけではなく、社会背景を把握することも重要な仕事です。今、親はどんな状況で子育てをしているのか、学校や会社では何が問題となっているのか。社会環境が変化していることを認識していないと、適切なカウンセリングを行うことはできません。積極的に他職種と連携し、一般の人たちも理解できる言葉で話す。幅広い知見が求められ、社会からも期待をされている仕事といえるでしょう。

参考文献・URL
井澗知美著『カウンセラー(公認心理師・臨床心理士)という生き方』イースト・プレス 2022
(公社)日本公認心理師協会 https://www.jacpp.or.jp/about.html
(一社)東京公認心理師協会 https://www.tsccp.jp/what/lp/
(一財)日本心理研修センター https://www.jccpp.or.jp/Top.cgi

仕事DATA

●人数70,684名
※2023年6月現在、(一財)日本心理研修センター登録者数
●公認心理師試験受験資格
A:大学および大学院で指定された科目を履修し卒業
B:大学で指定された科目を履修し卒業、かつ特定の施設で2年以上の実務経験を積んだ者
C:AまたはBと同等以上の知識および技能があると認定された者ほかに、D・E・F(特例措置)での受験資格区分あり
(一財)日本心理研修センターより
●勤務先
病院、保健所、学校、企業、児童相談所、高齢者福祉施設、家庭裁判所、少年鑑別所、犯罪被害者相談室等