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ピア・サポートのためのこころのレッスン

ピア・サポートのためのこころのレッスン

今回は、前回の続きで、リラクセーションの方法の続編です。前回ご紹介した「漸進性筋弛緩法」では、寝ながら手首、足首に一度力を入れ、その後力を抜く方法でリラックスをしていました。今回は、それを、仕事中など日常生活の中でも実施できるようにしたものを紹介します。

肩上げリラックス法

パソコンやスマートフォンを長く使う人は、前傾姿勢の時間が長く、肩の凝りを感じている人が多いようです。

今回紹介する、「肩上げリラックス法」は、一度両肩を耳にくっつける気持ちで上げていきます。その後、両肩の力を抜きながら肩を下ろしていきます。普段、肩凝りを感じていない人も、肩の力が抜けることで、無意識のうちに肩に力を入れて生活をしていることに気づくことができます。この肩上げを3回ほど繰り返すうちに、両手の先もじんわりと温まってくることでしょう。

首ゆるめ

次に、「首ゆるめ」を行います。顔を正面に向けたまま、首をゆっくり右に倒していきます。左の首筋(胸鎖乳突筋)を伸ばしていきます。そのまましばらく(15秒ほど)待つと、首筋が伸びてきます。ゆっくりと首を戻し、再び、同じ方向に倒していき、さらに、左の首筋を伸ばしていきます。ツッパリ感が和らいで緩みを感じたら元に戻します。今度は、左に首を倒し、同じように2回伸ばしていきます。

以上の2つは、椅子に座ったままで肩や首をほぐすことができるので、仕事の合間にも行うことができます。

腰ゆるめ

さらに、「腰ゆるめ」を行います。腰痛やぎっくり腰になって困っている人もいるかと思いますが、普段から腰のケアを心がけることで予防をすることができます。正しい姿勢をと気をつけているつもりが、腰をそらせすぎている人や、猫背気味で、腰が後ろに倒れている人は、骨盤を正しく立てて、腰への負担を減らしましょう。

両足を開き、あぐら座(又は、椅子座位)で座ります。上体を前傾させ、腰の突っ張り感が出てきたら、その位置でしばらく待ちます。突っ張り感がなくなったらさらに前傾させていきます。次に、顔を上げ、背中を伸ばして尾てい骨から頭まで一直線に整えます。そのままの背中の形で、上体を垂直まで起こしていきます。背中が曲がる人は、腹筋を使って起こしていきましょう。骨盤が立って、上体が床に対して垂直の姿勢がつくれると、腰や背中、肩の力も抜け、楽に座っていることができます。

このように無駄な力を入れずに良い姿勢で生活できばば、気持ちにも余裕が生まれてくるでしょう。また、自分がなぜ力を入れてしまうのかを考えることで、自分の生き方の癖に気づくこともできます。ぜひ、試してみてください。

新型コロナウイルスの感染を防止するため、人との身体的距離をとりましょうと言われている今日この頃です。今回紹介したリラックス法は、道具もいらず、自宅で一人でできる方法ばかりです。リラックスする時間をつくり、免疫力を高める方法のひとつとしてご活用ください。

臨床心理士・臨床動作士
黒岩 淑子さん プロフィール

佐賀大学保健管理センター非常勤カウンセラー、佐賀県スクールカウンセラーを精励したのち、現在は東京都スクールカウンセラーと佐賀県難病相談支援センターピアサポート研修講師に勤しむ。