活動レポート第26回(2010・2011)
第18回 関西学習会 in 大阪(2010年11月13日)
「よりよい広報誌のつくり方」について、文章、デザインのプロの講義を聞く
2010年11月13日、第18回関西学習会が大阪市立城北市民学習センターにて開催されました。関西学習会では「患者の声を医学教育に組み込む」のテーマで毎回、患者団体が模擬発表を行ってきましたが、今後は模擬発表だけでなく専門家による講義を交えて実施していくことになりました。
今回は本誌『まねきねこ』の取材ライターと誌面デザインを担当するグラフィックデザイナーが、「よりよい広報誌のつくり方」について講義を担当。ライターは「伝わる文章・いろはにほへと」と題し、文章テクニックの主に基礎的な部分を確認の形で解説。一人称・三人称の文体の使い分け、リズムのある文章の書き方、校正や表記統一の大切さ、原稿依頼文などの見本が提示されました。
グラフィックデザイナーは「読みたくなる広報誌づくりのコツ」として、デザインの基本である、読みやすい文字の大きさや文字量、行間や目的に合った書体の選び方、段組の有効性、さらにタイトル→リード文→小見出し→本文へと視線の流れを導くことの大切さを解説しました。実際に『まねきねこ』の誌面をプレゼンテーションソフトで示し、読みやすくするためにどのような工夫がなされているかを紹介。
また、各団体が持参した広報誌を1冊1冊チェックし、良い点、見直すべき点を検討しました。質疑応答では、講演などのテープ起こし原稿のまとめ方についてや写真・イラストの配置の仕方などの質問があり、日頃の編集作業の悩みについてプロのアドバイスを受けました。
その後、第10回ヘルスケア関連団体ワークショップの参加者からの報告、各団体の活動情報や情報交換が行われ終了しました。
参加団体
ひょうごセルフヘルプ支援センター/腎性尿崩症友の会/日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)/全国膠原病友の会 滋賀支部・大阪支部/関西ほっとサロン/NPO法人 日本マルファン協会/口唇口蓋形成不全ネットワーク/ドリームファクトリー/あけぼの兵庫/竹の子の会/しらさぎアイアイ会/CMT友の会/あすなろ会
第19回 関西学習会 in 大阪(2011年1月15日)
後天性の目の難病、網膜色素変性症患者家族会による模擬発表
第19回関西学習会が新年早々、九州学習会からピアサポートの実態調査のために来阪した2名も参加し開催されました。「患者の声を医学教育に組み込む」というテーマに沿って、網膜色素変性症の患者家族会「しらさぎアイアイ会」の代表、高瀬清嗣さんが模擬発表を行いました。
網膜色素変性症は後天的に見えにくくなったり、見えなくなるという目の難病で、夜盲症、視野狭窄、視力・色覚障害が進行し、その見え方や進行の度合いは患者によって千差万別であると説明。自身の発病時の体験や患者団体での相談活動を通じて、医療従事者からは、自立して生活していくための方法などが十分に説明されていない現状を指摘。拡大読書機や音声パソコンなどの補助機器の利用、歩行・白杖訓練などが行える国立視力障害センターなどの情報提供の重要性を訴えました。そして、先端医療の進歩にも期待したいが、まず自分の足下をかためQOLを向上する「ロービジョン・ケア」を会の活動を通じて普及させていきたいと結びました。質疑応答では、「ユーモアや問いかけを交えた気さくな口調に好感が持てた」「高瀬さん自身の発病から受容への心の推移をもっと聞きたかった」などの意見が出されました。
その後、これまで続けてきた模擬発表をどう学習会の成果物として発展させていくかの議題に移り、たとえば効果的な講演テクニック集としてまとめてはどうかなど、今後検討していくことになりました。また今回は初の試みとして学習会の様子がインターネットの動画共有サービスUstreamを使って配信されました。
参加団体
腎性尿崩症友の会/日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)/全国膠原病友の会 滋賀支部・大阪支部 /関西ほっとサロン/口唇口蓋形成不全ネットワーク/ドリームファクトリー/あけぼの兵庫/竹の子の会/しらさぎアイアイ会/CMT友の会/あすなろ会/熊本IBD/熊本県難病団体連絡協議会
第12回 北陸学習会 in 富山(2010年12月26日)
活動に役立てる視点から、インターネットや電子メールを学ぶ
2010年12月26日、富山市のサンシップとやまにおいて、第12回北陸学習会が開催されました。北陸学習会では「伝わる・つながる・広がるコツを学ぶ」を年間テーマに、NPO法人 PCツール代表の能登貴史さんを講師に招き、広報やパソコンの使い方を学ぶ学習会を続けており、今回もその一環としてインターネットや電子メールについて学びました。
学習会は、初心者にも使いやすいブラウザからインターネットを体験したり、実際に講師とメールをやりとりしたりという実践的な内容で、「パソコンやインターネットは苦手」という参加者も、能登さんやPCツールのスタッフのサポートを受けながら熱心に取り組んでいました。便利なサービスの紹介や、インターネットや電子メールを使いこなすコツなどの説明もあり、参加者からは「今日からできる」「今までの苦労がウソみたい」などとの感想も飛び交い、笑い声の絶えないなごやかな雰囲気の学習会となりました。
能登さんは「患者団体などの活動に携わる人は、自分たちの思いや状況を社会に訴えたり、社会貢献するために、広報をしていくことがとても重要になってきます。インターネットや電子メールは皆さんの活動にとても役立つ便利なツールですから、ぜひ使いこなしてください」と述べました。
運営委員の勝田さんは「私もパソコンやインターネットは苦手でしたが、学習会でパソコンを学ぶようになって、今までわからなかったことが確実にわかるようになる喜びを感じています。今日学んだことを、それぞれの団体の発展に結びつけていきましょう」と述べて、学習会を締めくくりました。次回の学習会も、引き続きインターネット環境について学ぶ予定です。
参加団体
OPLL友の会/富山IBD/NPO法人 難病ネットワークとやま/(社)日本リウマチ友の会 富山支部/(社)認知症の人と家族の会 富山県支部/日本ALS協会 富山支部/富山県後縦靱帯骨化症患者家族会/心友会/SCD・MSA友の会/(社)全国パーキンソン病友の会/ 富山県支部・石川県支部/富山県難病相談・支援センター
第19回 関東学習会 in 東京(2011年 1月16日)
事例集作成も視野に、ピアサポートの事例発表に取り組む
1月16日、東京のファイザー株式会社本社で、第19回関東学習会が開催されました。関東学習会では、昨年からピアサポートをテーマに取り上げてきましたが、今回も2団体がピアサポートの事例発表を行いました。
まず、CAPS患者・家族の会の戸根川理登さんが「ピアサポート事例〜困った事、悩んだ事」として、団体におけるピアサポートの現状や課題について語りました。次にNPO法人エパレク(環境汚染等から呼吸器病患者を守る会)の川西輝子さんが、「ピアサポートの取り組み」として、ぜんそくのエキスパートペイシェント(熟練患者)の活動などについて発表しました。続いて、各団体のピアサポートの現状や課題、今後の関東学習会での取り組みなどについてグループ討論会が行われました。
グループ発表では、次のような意見や提案が述べられました。
●「親の会の場合、患児同士の交流や、祖父母や患児の兄弟も参加できるピアサポートの場が必要」
●「患者自身の自立や成長をうながす働きがピアサポートにはある」
●「同じ病気の患者同士の医療情報を中心とするピアサポートと、心の問題など病気を超えた共通の悩みに対するピアサポートがあるのではないか」
●「ピアサポートをする側の心構えや指針が知りたい」
●「専門家にも参加してもらって、共通課題を話し合いたい」
●「今後も関東学習会で事例発表を積み重ね、事例集を作っていきたい」
●「マニュアルや事例集の制作を考えた場合、本に比べるとウェブサイトは費用がかからず、更新しやすいメリットがあるが、なじみにくい世代もある」
これらの発表も踏まえ、事例集作成などを視野に入れながら、取り組みを続けていくことになりました。ピアサポートは多くの団体にとって身近な課題であるせいか、グループ討論や全体討論でも熱のこもった意見交換が行われ、2011年の有意義なスタートとなったようです。
参加団体
CAPS患者・家族の会/CMT友の会/NPO法人 エパレク(EPAREC)/NPO法人 睡眠時無呼吸症候群ネットワーク/NPO法人 東京肝臓友の会/NPO法人 日本IDDMネットワーク/NPO法人 日本コンチネンス協会/NPO法人 日本せきずい基金/NPO法人 のぞみ会/再生つばさの会/NPO法人 肺高血圧症研究会/NPO法人 楽患ねっと/あすなろ会/(社)全国脊髄損傷者連合会/(社) 日本オストミー協会/全国CIDPサポートグループ/全国HAM患者友の会 関東支部/竹の子の会/つくしの会/中枢性尿崩症の会(CDIの会)/腎性尿崩症友の会/ポリオの会/NPO法人 日本プラダー・ウィリー症候群研究会/ポプラの会(低身長児・者友の会)/NPO法人 東京都難病団体連絡協議会