活動レポート第27回(2011)
第15回 沖縄学習会 in 沖縄(2011年3月14日)
「ストレス・病気とのつきあい方」について講師を招き、講義と実習を行う
第15回沖縄学習会が、沖縄国際大学教授で心理学博士・臨床心理士である上田幸彦氏を講師に招き、開催されました。今回のテーマは「ストレス・病気とのつきあい方」。ストレスは心身の状態や治療にさまざまな影響を及ぼすことから、どう対処していくかが重要となります。治療や健康管理といったセルフケア行動は自己決定、自己コントロールによって主体的に取り組むことが大切です。その概念の元、全員が自分の病状や治療法などを発表する「病気認知自己チェック」や「ストレス自己診断チェック」を行いました。後半は、ストレス対処法1として、(A)ストレスの原因そのものをなくしていく「問題中心型対処」、(B)プラス面を見つけリラクセーションを心がける「情緒中心型対処」、(C)問題を投げ出してしまう、心身に一番よくない「逃避・回避型対処」がある。(A)と(B)の両方を持っていることが大切だと学びました。ストレス対処法2では「マインドフルネス瞑想法」を実践しました。マインドフルネスとは「今」という瞬間に集中すること。長い人生も今の積み重ねであり、今を大切に生きていこうという考え方です。背筋を伸ばして座り、目を閉じて腹式呼吸を繰り返す。お腹の呼吸に意識を集中させ、別な思いが浮かんでも注意を呼吸に戻す。この瞑想によってリラクセーション効果が得られ、物事の見方や自分に対する感じ方に変化が生じるようになる。それによって問題解決の方法を思いつく余裕が生まれ、心と体によいセルフケア行動を維持できるというものです。専門的な知識をわかりやすく解説していただき、対処法を積極的に取り入れて行きたいとの声があり、有意義な学習会となりました。
参加団体
沖縄県難病・相談支援センター 認定NPO法人 アンビシャス/全国膠原病友の会 沖縄県支部/全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部/日本ALS協会 沖縄県支部/もやの会(もやもや病の患者と家族の会 沖縄ブロック)/沖縄県がん患者会連合会
第13回 北陸学習会 in 富山(2011年3月21日)
活動の活性化を目的に、メールやブログの使いこなし方を学ぶ
第13回北陸学習会が、富山市の富山県総合福祉会館「サンシップとやま」において開催されました。北陸学習会では「学びあう・伝えあう・広めあう」を2011年の年間テーマとし、NPO法人PCTOOL代表の能登貴史さんによるパソコンを使ったコミュニケーションを学ぶ講習を続けることにしています。今回は、前回内容の再確認を兼ねて、メールやブログ、ツイッターの使いこなし方を学びました。講師やスタッフのサポートを受け、実際にメールやインターネットを体験しながらの講習で「今回ではっきりとノウハウを理解できた」「スキルが身に付いた」「能登さんの研修は面白くてわかりやすい」と好評でした。メールで所属団体の会員に正確な情報を伝えたり、ブログで情報を公開して団体の存在や活動内容を広く知らせたり、情報を共有したりするために、インターネットを使いこなすことが大切であることも、講習を通じて再確認しました。能登さんからは「メールやブログを使ってみなさんの活動を活性化させることが目的。この場で完結しないで、学んだことを団体の皆さんにも伝え、広めてください」とのメッセージがありました。また、講習に先立ち、東日本大震災で被害に遭われた方への黙祷を行い、被災地の現況に関する情報や、各団体の震災への対応なども語り合いました。参加者からは「今日の学習会で皆さんと顔を合わせて、大切な仲間がいることをあらためて認識した」「全国の仲間とのつながりが感じられた」との声も聞かれました。「これからも被災地のことを思い続け、いざという時は支援する気持ちでいたい。西日本から元気を発信して、日本を元気にしていきましょう」と能登さんの呼びかけもあり、全員で思いを一つにして学習会を終えました。
参加団体
(一社)全国パーキンソン病友の会 富山県支部・石川県支部/(社)日本リウマチ友の会 富山支部/NPO法人 日本IDDMネットワーク/石川県OPLL(後縦靱帯骨化症)友の会/(公社)認知症の人と家族の会 富山県支部/日本ALS協会 富山県支部/とやまSCD・MSA友の会/ハレバレ会(福井県SCD)/脳外傷友の会「高志」/富山IBD
第20回 関西学習会 in 大阪(2011年4月10日)
「効果的なリーフレット」についてデザイン製作会社から講師を招いて開催
第20回関西学習会が大阪市のドーンセンターにて開催されました。今回はデザイン製作会社アイランド(株)の新藤祥弘氏を講師に招き「効果的なリーフレットとは」のテーマで講義を受けました。患者団体を紹介する大切なツールとして、まずはリーフレットをつくる目的を3つ設定。それによって内容、文字の大きさ、文章量、イラストや写真の有無などを検討しながら素案(ラフ)をつくっていく。なかでも色は見る人にどのような感情効果があるかを考慮して選択することが大切で、興奮色、沈静色、中性色、暖色、寒色などの特性、年代別での日本人女性の嫌う色などが解説されました。普段からさまざまなリーフレットやパンフレットを収集し、美しいと思うもの、興味のある配色などをストックしておくと制作時に役立つことを学びました。また関西学習会全体のイメージを統一するために、ゆるやかなデザインルールがあってもよいのではという講師からの提案を受け、「VHO‐netの参加団体であることを示す共通のマークを入れてはどうか」「関西学習会としてのイメージを統一することが団体の信頼度を高める、仲間意識が強くなる効果がある」との意見が出され、検討していくことになりました。講義後はそれぞれの団体のリーフレットのデザインについて、ていねいな個別指導を受けました。その後の情報交換では、東日本大震災発生による災害時の危機管理について、早急に各団体の声を取りまとめて行政に要望していく必要性が話し合われました。
参加団体
ひょうごセルフヘルプ支援センター/日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)/腎性尿崩症友の会/全国膠原病友の会 滋賀支部・大阪支部/関西ほっとサロン/NPO法人 日本マルファン協会/ドリームファクトリー/あけぼの兵庫/竹の子の会/しらさぎアイアイ会/CMT友の会/あすなろ会/ピアネット Alice
第14回 九州学習会 in 佐賀(2011年 5月14日)
〜つなげる〜多職種との連携について、これまでの有効な事例を出し合い検討
第14回九州学習会が佐賀県難病相談・支援センターにおいて開催されました。今回のテーマは「〜つなげる〜多職種との連携について」です。まず2名から事例報告がありました。(社)日本リウマチ友の会鹿児島支部の黒木恵子さんは2011年1月に発足した、かごしま難病支援ネットワークの設立過程で、県議会や医師会、民間企業など多くの機関と話し会う機会が持てたこと、なかでも行政の担当課と有効な関係が築けたことが牽引力となったと語りました。次に長期療養中の子どもを持つ母親のおしゃべり会を行っている、くまもとぱれっとの谷口あけみさんは、子どもの年齢によって問題が変化していくため教育関係者とつながりを密にしていること、また看護・社会福祉・教育関係者などに対し、会に参加すれば研究ネタがたくさんあることをアピールしていきたいと語りました。
その後、3グループに分かれてワークショップを行いました。まとめ発表では、1人暮らしの筋ジストロフィー患者を24時間、さまざまな職種が関わって支える例や、ショッピングモール建設にあたり企業から患者団体に意見を求められ、設備面に大いに反映させることができた例から、患者団体が積極的に声を出していくことの大切を実感したという意見もありました。また、ホームページやメールなども有効だが、顔の見えるつきあいがつながりを強くする、出会いが次の出会いを呼ぶなどの発表もありました。事例や意見を持ち帰り、それぞれの患者団体で検討し今後の活動に生かしていこうと結び、終了しました。
参加団体
きらめき会/佐賀ALS患者家族会/全国精神障害者ネットワーク協議会/NPO法人 ともしび/佐賀IBD縁笑会/くまもとぱれっと/熊本すずらん会/(社)日本リウマチ友の会 鹿児島支部/エンジョイポリオの会/ベーチェット病友の会 福岡県支部/竹の子の会/骨ほね倶楽部/九州IBDフォーラム 熊本IBD/熊本難病団体連絡協議会/熊本市難病・疾病友の会/福岡県難病相談支援センター/大分県難病相談支援センター/鹿児島県難病相談支援センター/宮崎県難病相談支援センター/佐賀県難病支援ネットワーク