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活動紹介 第51回(2019)

活動紹介 第51回(2019)

第20回 東海学習会 in 名古屋(2019年5月19日)
二つの講演を行い、患者家族、当事者それぞれの体験に基づいた問題提起について議論する

第20回東海学習会が名古屋都市センターで開催されました。テーマは「『つながろう地元、起こしていこう行動(アクション)Vol.1』〜ピアサポートのつながりが起こす新しい行動を探そう〜」です。
第一プログラムの「みんなの前でしゃべってみようよ」では、もやもや病の患者と家族の会 中部ブロックの奥田洋子さんが講演を行いました。
14年前、娘が脳出血発症後、もやもや病と診断され、後遺症を克服していく過程や、介護をする家族へのケアの必要性などについて発表。また、講師として取り組んでいる、笑いとヨガの呼吸法を組み合わせた健康体操を紹介し、参加者全員で行い、会場に笑い声とともに笑顔が広がりました。
第二プログラムでは、CMT友の会の山田隆司さんが「当事者体験を活用すること〜自身のストレングス探しをしてみよう〜」と題して講演を行いました。
CMTの疾患説明から始まり、小児での発症から学校生活、思春期、作業療法士を目指す過程での夢や挫折などについて語りました。そして、それらの体験を通しての気づきである「当事者であり支援者でもある、〝当事者セラピスト〞として、社会的役割が果たせるのではないか」という問題提起を行い、グループワークへと移りました。
各自が当事者としての強み、弱みを付箋に書き込み意見を出し合い、まとめ発表では、「実感を伴った共感や理解はピアサポートでの強みになる」「ヘルスケア関連団体のリーダーを経験する中で、体験に基づいたピアサポートができるなど、弱みだと思っていたものが強みに変化していった」「自分自身の存在と体験はきっと誰かの役に立つ」などのポジティブな意見が導かれ、それらを共有する場となりました。

参加団体
■NPO法人 愛知県難病団体連合会
■NPO法人 三重難病連
■CMT友の会
■Fabry NEXT
■東海脊髄小脳変性症友の会
■愛知県脊柱靱帯骨化症患者・家族友の会(あおぞら会)
■もやもや病の患者と家族の会 中部ブロック
■雇もれびの会
■全国心臓病の子どもを守る会 長野県支部
■難治性疼痛患者支援協会 ぐっどばいペイン
■三重県下垂体友の会

第30回 九州学習会 in 熊本(2019年6月8日)
他団体とのコラボレーションについて事例に学び、そのメリットやデメリットの解消法を話し合う

第30回九州学習会が、熊本市の城彩苑で開催されました。テーマは「団体の活動をひろげよう!他団体とのコラボから学ぶ」で、午前の部では他団体とのコラボレーションの事例紹介として3団体が発表を行いました。
認定NPO法人 佐賀県難病支援ネットワークの三原睦子さんは、「大規模災害時の支援について」と題し、佐賀県との協働提案事業や佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センターとの災害アプリ開発支援などを紹介。熊本SCD・MSA友の会の手島明さんは、患者とその家族に限らず、経済的な応援団として賛助会員が多いという団体の特徴について、そして聖マリア学院大学助教 谷口あけみさんからは「教育機関と患者団体のコラボ」と題し、熊本県内の大学とヘルスケア関連団体による難病カフェの開催や、学園祭での啓発用パネル展示計画などが発表されました。
これを受けて午後からは、2班でのグループワークへ。まとめ発表では、地元の民生委員や自治会とつながることで災害弱者や地域防災への意識が高まる、企業や教育機関などとつながることで多彩な視点からのアイデアが得られる、行政とのコラボレーションは団体の信頼にもつながる、活動の目的が明確でないとコラボレーションは難しいなど、メリット・デメリットについて多様な意見が出されました。
その後の全体討論を経て、他団体とのコラボレーションは、団体という「器」よりもそこに所属する「人」とつながること、また継続して活動を行っていくことが大切であると確認することができました。

参加団体
■NPO法人 熊本県難病支援ネットワーク
■九州IBDフォーラム 熊本IBD
■熊本SCD・MSA友の会
■認定NPO法人 佐賀県難病支援ネットワーク
■CFS(慢性疲労症候群)支援ネットワーク
■くまもとぱれっと(長期療養中の子どもと暮らす家族の会)
■上益城地域難病友の会(ゆうじん喜びの会)
■Breast Cancer Network Japan あけぼの会
■再発性多発軟骨炎(RP)患者会

第34回 東北学習会 in 仙台(2019年6月30日)
気づきや学びを日頃の活動に活かすためにVHO-netの存在意義を見つめ直す

第34回東北学習会が仙台市シルバーセンターで開催されました。今回のテーマは「もっとVHO-netを知ろう!」。VHO-netをもう一度見つめ直し、活動の中で得られた気づきや学びを団体運営に活かすことを目的とした学習会でした。
まずVHO-netの事務局を務めるファイザー株式会社の喜島智香子さんが「VHO-netの概要とさまざまな活動について」をテーマに講演。VHO-netの成り立ちや活動内容、ネットワーキングの必要性などを語り、またPPI(医学研究・臨床試験への患者・市民参画)など新しいプロジェクトについて紹介しました。
次に、患者会ピンクのリボンの池田久美子さんが、「VHO-netに参加して学んだことと活用方法」として東北学習会の歩みやVHO-netでの学び、所属団体の活動に役立ったことなどを発表しました。
その後、2人の講演を受けてのグループディスカッションへ。グループ発表では「立場を越えて話し合える場と認識」「点である個人が、仲間と線でつながり、患者団体に加わって面となり、VHO-netで球となって活動が広がるとわかった」「他県でも学習会を開催してほしい」などの意見が紹介されました。PPIプロジェクトへの関心も高く、ぜひ参加したいという意見も多く聞かれました。
総評として東北福祉大学総合福祉学部教授の渡部純夫さんが「人格や行動は、歴史や気候に根ざす。お互いの理解を深め、東北全体に活動を広めるためには、地域性を理解したうえで連携することも必要ではないか」と提案。また中央世話人であり(社福)仙台市障害者福祉協会の阿部一彦さんは、「東北学習会には障がい者団体も参加してきた。障害者権利条約の審査に向けての、障がい者団体の取り組みにも協力してほしい」と呼びかけました。
2004年に結成された東北学習会は、交通アクセスが悪く、冬季は降雪の影響もあるなど厳しい環境の中で宮城県、福島県を中心に活動を続けてきました。積み重ねてきた人と人の絆や、ネットワークを活かし、今後もVHO-netを通じて、着実に活動を広げていく思いを共有して学習会は終わりました。

参加団体
■(一社)岩手県難病・疾病団体連絡協議会
■患者会ピンクのリボン
■全国膠原病友の会 岩手県支部・宮城県支部
■CFS(慢性疲労症候群)支援ネットワーク
■(社福)仙台市障害者福祉協会
■仙台ポリオの会
■福島県難病団体連絡協議会
■みやぎ化学物質過敏症の会~ぴゅあい~

第35回 沖縄学習会 in 沖縄(2019年7月21日)
すい臓がん患者と家族を支えるヘルスケア関連団体の講演を聞き家族へのピアサポートの議論を行う

第35回沖縄学習会が、那覇市上下水道局庁舎会議室で開催されました。
今回はすい臓がん患者とその家族を支援する、NPO法人 パンキャンジャパン沖縄支部長であり看護師でもある島袋百代さんの講演、「家族支援 〜家族のピアサポートを考える〜」を聞いた後、グループワークを行いました。
講演内容は、夫がすい臓がんと診断された体験から、家族の中での夫、妻、娘それぞれの立場での想いや、心理的・身体的苦悩、治療費などの社会的問題も生じることから、家族を「第2の患者」としてとらえること、さらに看護師として、すい臓がん患者の遺族の苦悩と支援についてまとめた論文から、遺族が語った医療従事者との関係性の苦悩などについての内容も発表されました。それらの体験や研究を通し、家族支援・家族ケアに関する学習の場、家族が苦しみを語れるピアサポートの場の重要性を感じ、団体活動に取り組んでいることが語られました。
グループワークでは、「患者とその家族での面談では、家族へのフォローも心がけている」「精神的に立ち直れない遺族に対してどのように対応しているか?」「家族ケアについて医療側に専門教育はあるのか?」「講演を聞き、家族支援にも力を入れる必要性を強く感じた」など、感想や疑問、課題などが挙げられました。医師やソーシャルワーカーなど専門職の方の参加もあり、幅広い視点での意見の検討や情報提供がなされ、患者家族へのピアサポートへの意義を掘り下げ、各自団体の活動に反映していける学習会となりました。

参加団体
■NPO法人 パンキャンジャパン 沖縄支部
■全国膠原病友の会 沖縄県支部
■(一社)沖縄県がん患者会連合会
■日本ALS協会 沖縄県支部
■全国脊髄損傷者連合会 沖縄県支部
■全国筋無力症友の会 沖縄県支部
■全国パーキンソン病友の会 沖縄県支部
■認定NPO法人 アンビシャス

第45回 関西学習会 in 大阪(2019年8月4日)
アラジール症候群の家族による模擬講演と団体活動の1分間PR演習

第45回関西学習会が大阪市のたかつガーデンで開催されました。
VHO-netの活動紹介ビデオ鑑賞後、運営委員から、地域学習会は参加者全員が主体となり企画・運営に携わる会であることや、会のルールや運営委員の役割についてていねいな説明があり、初参加者にも理解を促すことができたようです。
その後、日本アラジール症候群の会代表の吉田麻里さんによる模擬講演へ。染色体異常による先天性の小児慢性疾患であり、肝機能障害や心血管系、成長障害など症状が多岐にわたること。三男の発症から、肝臓移植を行うかどうかの重大な選択や度重なる骨折などへの家族の対応、情報量の少なさから作成したホームページを機に患者団体を設立した経緯、ピアサポート活動や、クラウドファンディングでのパンフレット作成事例などを紹介しました。
その後、質疑応答や感想を述べ合い、関西学習会が作成した『「患者・家族が語る」講演のポイント チェックリスト』に則って講演内容を精査。良かった点、改善点について適切なアドバイスがなされました。
続いて、自分の団体を1分間でPRする演習へ。これは昨年のヘルスケア関連団体ワークショップで紹介された、活動への共感を得るための手法のひとつ、「エレベータートーク」に基づいたもので、その場で300字程度の原稿を作成し、全員が発表を行いました。活動目的や団体の良さをアピールできているかなどの感想を出し合い、その難しさを実感するとともに、今後の活動に活かしていこうと結びました。

参加団体
■NPO法人 こころ・あんしんLight
■NPO法人 ひょうごセルフヘルプ支援センター
■日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■小さないのち(子どもを亡くした家族の会)
■腎性尿崩症友の会
■しらさぎアイアイ会
■NPO法人 日本オスラー病患者会
■あすなろ会
■日本アラジール症候群の会
■膵島細胞症患者の会
■曇りのち晴れ
■つばめの会(摂食嚥下障害児 親の会)
■全国心臓病の子どもを守る会 奈良県支部