2023年度VHO-net地域学習会 合同会議
より充実した活動に向けて、総括と企画検討を実施
取り組むべき課題や、ともに歩む思いを共有
2023年度のVHO-net地域学習会合同会議がオンラインで開催され、2022年度の活動の総括、2023年度の事業計画について討議が行われました。地域学習会についても、9地域の活動報告と企画発表、企画書に対する質疑応答や修正点の提案が行われ、地域別議論を経て修正後の企画内容の発表と承認を実施。新たな活動への思いを共有しました。
2022年度の事業報告と2023年度の事業計画
(一社)VHO-net 代表理事 森 幸子 さん
コロナ禍でオンラインでの活動が中心であったが、2022年のワークショップは初めてハイブリッド形式で開催。地域学習会においてもハイブリッドでの開催や、他の地域からの参加も可能なオープン開催など、新しい取り組みも行われた。また、外部研修の参加に対する助成や、オンライン会議推進の助成制度を創設するなど、法人化前では実施が難しかった事業や、外部との協働にも積極的にチャレンジした。
デジタル担当委員会発足やDX推進の準備など、今後の社会発信を視野に入れた活動も始動。Patient in FOCUSへの参加は、これまでになかった取り組みで貴重な機会となった。社会に信頼を得られる組織となるために、運営上の規定を見直すことも行った。
2023年度は、引き続き、より多くの方が参加できるようオンラインやハイブリッド会議を活用する。外部団体、機関との協働を重点課題として活動領域拡大にも努めたい。
2022年度主要事業 法人ならではの取り組みもスタート
■第22回ワークショップ(10月22〜23日)
「VHO-net 新たなるチャレンジ!〜私たちの声を社会に〜」をテーマに、ハイブリッド形式で実施。
■地域学習会合同会議(3月21日)
■地域学習会(9地域)
■目的別勉強会(ファイザー(株)との共催)
●ヘルスリテラシー体験学習型セミナー(5月28日)
●疾患啓発勉強会(7月24日)
■Patient in Focus Week 2022
ファイザー(株)全社員参加対象のイベントで「患者団体と製薬会社のパートナーシップ」をテーマとしたパネルディスカッションに参加。
■Ji4pe(医療開発基盤研究所)研修への参加・助成
患者・市民向け講座をVHO-netのメンバーが受講。研修費の9割を補助。
■VHO-net助成プログラム
オンライン会議の推進を目的に、パソコンなどの備品購入費に対して助成。
法人に適したウェブサイトのコンテンツを検討し、公式LINE(準備版)を開設。Googleフォーム活用の勉強会を実施。
■VHO-netデータベースの構築
ファイザー(株)管理のデータベースから独立し、新たなサーバーを開設。
2023年度 主要事業(予定) 他の団体や機関との協働に積極的に取り組む
■第23回ワークショップ(10月21〜22日)
「ピアサポート」と「企業との協働」をテーマにハイブリッド形式で実施予定。
ポスターセッションを行い、模擬学会を経験して発信力の向上を目指す。
■地域学習会合同会議(2月23日)
■地域学習会(9地域)
■目的別勉強会(ファイザー(株)との共催)
疾患啓発勉強会やお互いのニーズを理解する勉強会を開催予定。
■Ji4peの研修への参加・助成
■VHO-net助成プログラム
組織運営強化のための備品購入等の助成を予定。
■デジタル担当委員会
VHO-netのウェブサイトの改修、公式LINEのリリース、DX推進勉強会の実施などを予定。
■ピアサポート研修会
各都道府県での取り組みに参画するための準備としての研修を実施する。
■VHO-netデータベースの構築
団体情報の登録形式をより入力しやすいように一部改修予定。
■その他
地域学習会 ハイブリッドやオープン開催で学びや気づきを広げる
地域学習会の活動報告と23年度の企画のポイントをご紹介します。
北海道学習会
総括:
「防災について(第19回・ハイブリッド)」「グリーフケア(第20回・オンライン)」をテーマに開催。主体的な活動を目指し、学びたいテーマを取り上げることができた。
企画:
グリーフケアについてさらに深めることと、障害者権利委員会からの総括所見の内容と日本の現状を知り、個人の視点と海外にまで目を向けた広い視点から各自の活動を振り返り、今後に活かす。
東北学習会
総括:
「各団体の課題やコロナ禍での活動の工夫(第40回・オンライン)」「社会保険労務士に学ぶ社会資源(公的年金制度)(第41回・ハイブリッド)」をテーマに開催。第41回では、仙台を拠点に盛岡にサテライトを設けるなど参加しやすい工夫を行った。
企画:
コロナ禍で活動が制限される中、各団体の活動や運営を学び、気づきを得て、自分たちの活動に反映する。2023年度は就労に関して学ぶ予定。
関東学習会
総括:
団体リーダーの立場から「私」を解放して考える機会として、身近な問題である「防災(第49回・オンライン)」、ストレスを自覚し対応する「ストレスコーピング(第50回・ハイブリッド)」を取り上げた。
企画:
ワークショップで課題の1つとして提示された「共感を得られる組織」をテーマとして取り組んで理解を深め、団体の活動に活かすことを目指す。
東海学習会
総括:
伝え合い、支え合うことを目指して「コロナに負けない! 新リーダーの活動(第26回・オンライン)」「重度難病患者のICT活用によるピアサポートと社会参加(第27回・ハイブリッド)」の学習会を開催。学びと交流を深めた。
企画:
オンライン活動は移動が困難な障がい者や難病患者も参加しやすい一方、高齢者への対応やIT環境格差などの課題があることをふまえ、ハイブリッド形式の有用性について理解を深め、団体の活動に活かす。
北陸学習会
総括:
コロナ禍を含めた災害対応をテーマに「自然災害発生時の心構えや支援状況について(第34回・オンライン)」と題して開催。年3回の学習会を計画していたが、1回にとどまる。
企画:
ヘルスケア関連団体の活動に共通する考え方や実践を学び、団体リーダーとして広い視点や問題解決方法を身につけ、具体的な活動に活かす。
関西学習会
総括:
オンラインで開催し、第51回では模擬講演会のコーディネートの実演、第52回は模擬合同講演会の実施に取り組んだ。長年の課題であったマッチング講演会(合同講演会)の実現に向けて、スタートを切ることができた。
企画:
マッチング講演会の開催を目指して、模擬合同講演会のパターンを変えて開催。活動を充実させるために、助成金や資金調達、運営についての悩みやノウハウを共有する。
中・四国学習会
総括:
「PPIの概要と患者団体のPPI活動のあり方(第7回)」「私にとってのPPI〜学びと実践〜(第8回)」をテーマにオンラインで開催。
企画:
活動の継続と活性化を目指してピアサポートやIT機器の活用をテーマに、学習会を開催。広く参加を呼びかけ、新規参加団体を増やし、相互連携や活動の活性化を図る。
九州学習会
総括:
「コロナ禍のオンラインツールの活用(第36回)」「コロナ禍のヘルスケア関連団体の活動状況(第37回)」をテーマにオンラインで開催。コロナ禍でのがん教育の活動など新たな知見が得られた。
企画:
当事者・家族と支援者の経験や実践から、ピアサポートの支援のあり方を考え、今後のヘルスケア関連団体の活動に活かす。
沖縄学習会
総括:
「IT機器を活用した取り残しのない支援〜誰一人取り残さない社会・ピアサポートを目指して」をテーマに、第41回、第42回の学習会をオンラインで開催。各団体のオンライン活用での気づきや課題を共有。
企画:
「意思決定支援」をテーマに、医療・福祉・支援団体(患者団体)における意思決定支援の現状と課題を共有。離島も含め、広く参加を呼びかけていきたい。