活動紹介 第62回(2024)
第40回九州学習会 in オンライン(2024年6月1日)
ピアサポートとカウンセリングの共通項を、講演を通して学ぶ
第40回九州学習会が、「ピアサポートに有用なカウンセリングの考え方を学ぶ(講義編)」をテーマに開催されました。講師は「こどもを亡くした家族の会 小さないのち」のグリーフケアスタッフであり、公認心理師・臨床心理士の中西眞季さん。1時間の講演を通して、「臨床心理士が考えるカウンセリングの基本」「ピアサポートとカウンセリングの共通事項」「相手を理解するために役立つ傾聴」などの項目で、ピアサポーターと臨床心理士の二つの立場から、共通して大切にしていることや、さまざまなスキルや見解が提示されました。
そして、ピアサポートだからこその強みとして、共通体験者同士の仲間であるという安心感、体験者としての経験に裏打ちされた生きる知恵、相手を受け入れ相手にも受け入れられる対等で相互的な関係はピアサポートだからこそ、生きる意味を再構築するストーリーをピアサポーターとして聴くなどの、印象的なメッセージが語られました。また、英語での用語の、グリーフケア、ナラティブ、マインドフルネスなども、チャット機能を使って端的に説明されました。
講演後の感想では、「ピアサポーターとして、とても有意義な内容で勉強になった。なにより中西さんの語り口、声のトーンが、ゆったりと聞けて、今後の活動をする際の参考になった」などの発表がありました。今回は関西学習会から5名、中・四国学習会から4名、計28名と多くの参加者が集う学習会となりました。
参加団体
■ (一社)全国膠原病友の会
■ くまもとぱれっと
(長期療養中の子どもと暮らす家族の会)
■ しらさぎアイアイ会
■ (公社)日本リウマチ友の会
鹿児島支部・熊本支部
■ 日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■ きらめき会
■ 全国膠原病友の会 高知支部
■ 認定NPO法人 佐賀県難病支援ネットワーク
■ 九州IBDフォーラム 熊本IBD
■ 鹿児島SMAの会
■ 鹿児島県重症神経難病の会
■ 鹿児島県医療的ケア児者家族会
■ (公社)日本オストミー協会 鹿児島県支部
■ (公財)がんの子どもを守る会 熊本支部
■ SCDスマイルクラブ
■ 鹿児島県難病相談・支援センター
■ 日本ALS協会 佐賀県支部・鹿児島県支部
■ 再発性多発軟骨炎(RP)患者会
■ 熊本SCD・MSA友の会
■ 認定NPO法人 アンビシャス
第10回 中・四国学習会 in ハイブリット(2024年6月15日)
2団体の講演を聞き、リーダーシップと後継者についてのディスカッションを行う
第10回中・四国学習会が、「患者団体リーダーのためのナレッジ共有とリーダーシップ強化」をテーマに開催されました。まず、全国パーキンソン病友の会広島県支部の河中郁典さん・信子さんが「パーキンソン病友の会にかかわって思う、現状の課題などについて」を発表。本部と支部が担うそれぞれの役割、支部については患者ファーストの理念を維持しつつ、運営能力向上のために健常者の確保も必要、若年発症者と高齢発症者の問題点の違いなどの課題が語られました。
続いて、あなろぐの会(1型糖尿病大人の会)の岸田信也さんの発表へ。1型糖尿病は20歳以上は医療費助成がなくなるため、社会的サポートの必要性から団体を設立。会費を徴収せず会員名簿もなく、グループLINE登録者で活動。交流会や、助成金での医療講演会などを実施。「会員それぞれがリーダーになれたらいいな」を目指し、リーダーシップ強化は考えていないと発表しました。
その後、現地とオンラインに分かれてのディスカッションへ。意見発表では、「リーダーは一人で問題を抱え込まず、会員と課題を共有していくことが大切」「リーダーになって成長する人もいるし、ニーズがあれば時代に応じたグループができてくる」「後継者問題では、変化を楽しむことも心がけたい」などが挙げられました。総括では、「タイプの違う2つの団体から問題提起があった。規模の大小や運営方法にかかわらず、質の良い患者団体になれる方法がある。課題ばかりでなく、夢のある話も話し合っていきたい」と結びました。
参加団体
■ ミオパチー(筋疾患)の会 オリーブ
■ 全国パーキンソン病友の会 広島県支部
■ 難病サポートfamiliaやまぐち
■ 全国膠原病友の会
岡山県支部・高知支部
■ 全国脊髄損傷者連合会 広島県支部
■ 沖縄県脊髄損傷者協会
■ もやもや病の患者と家族の会
(もやの会)中国ブロック
■ (一社)全国膠原病友の会
■ 日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
第23回北海道学習会 in オンライン(2024年6月29日)
多様な地域からの参加を得て、 ピアサポートの現状や課題を話し合う
北海道学習会が「ピアサポート」をテーマにオンラインで開催されました。今回は、日中、多忙な人たちにも参加しやすいようにと、午後7時からの開催となり、他地域からも多くの参加を得ての学習会となりました。
まず、VHO-net監事の喜島智香子さんが『VHO-netが考えるピアサポート5か条』の改訂版を紹介。次に、(公社)全国脊髄損傷者連合会業務執行理事の仲根建作さんが、「ピアサポートにおける専門職としてのジレンマ」と題して講演を行いました。所属団体で長年ピアサポートに取り組む一方、那覇市社会福祉協議会で福祉専門職として勤務する仲根さんは、日頃の活動の様子や、コロナ禍の影響などを紹介するとともに、福祉事業所で専門職として活動することの葛藤や課題に言及。自己覚知(対人援助職として自分の性格や価値観を知り感情をコントロールすること)を心がけて前進することで、自らのピアサポートの体系化を図りたいと語り、最後に「共感しあえる仲間だから、励まし合い、支えあいます。障がいを持っていても誇りをもってたくましく生きたい」との所属団体の合言葉を紹介しました。
講演を受けてのグループ討議では、立場を越えて気楽に語り合う「ゆんたくカフェ」の取り組みについての感想や、当事者が福祉専門職として活動する際の守秘義務などの問題、また、各団体のピアサポートの現状と課題などが話し合われました。医療専門職の参加者は、ピアサポーターを社会資源としてどう活かすかが自らの課題だと感じたと語りました。
最後に、(社福)仙台市障害者福祉協会会長でVHO-net理事の阿部一彦さんが「ゆんたくカフェなど活動のヒントを得られ、ピアサポートについて有意義な話し合いができた。障がい者の相談員制度に取り組む際の参考にもなると思う」と総括。ピアサポートという当事者団体に身近なテーマを通じて、さまざまな立場からの意見交換が行われた学習会となりました。
参加団体
■ 北のポリオの会
■ 北海道ターナー症候群家族会
ライラックの会
■ しらさぎアイアイ会
■ 全国膠原病友の会 高知支部
■ (社福)仙台市障害者福祉協会
第55回関西学習会 in オンライン(2024年7月13日)
“疾患は違えど。マッチング講演会”の 模擬講演で、共感し、さらなる課題に ついて議論を行う
関西学習会が取り組む、“疾患は違えど。マッチング講演会”の実現に向けての摸擬講演で、今回は3つのヘルスケア関連団体が、共通テーマ「ピアサポートについて〜それぞれの立場・環境から想う〜」と題して講演を行いました。講演の前に、そもそも、なぜ、マッチング講演会が誕生したのか、その意義や経緯について説明発表がありました。初参加者も多いため、これまでの長い道のりを振り返り、学習会への丁寧なアプローチとなりました。
続いて、全国心臓病の子どもを守る会 奈良県支部の春本加代子さん、しらさぎアイアイ会(網膜色素変性症)の中尾郁子さん、ピアサポーターであり社会福祉士でもある個人会員の海道志保さんがテーマに則って講演。「ピアサポートに出会い、一人ではないと実感した。ピアサポート研修を難病連と連携して行っている」「当事者しか知り得ない日常生活の悩みや情報交換に助けられた」「疾患の当事者であり、社会福祉士でもある立場から、第三者的な視点を活かしていきたい」など、団体として共有するピアサポートの重要性が語られ、議論が行われました。
休憩後、マッチング講演会での調整を担うコーディネーターのあり方について、奈良県立医科大学教育開発センターの岡本左和子さんから問題提起があり、講演会を充実していくうえで、その重要性とコーディネーター養成のための方策が必要と語られました。学習会を重ね、関西学習会が目指すマッチング講演会への抱負と課題に対して、一つひとつ、クリアしていく学習会となりました。
参加団体
■全国心臓病の子どもを守る会 奈良県支部
■こころ・あんしんLight
■全国膠原病友の会 岡山県支部・高知支部
■NPO法人 ひょうごセルフヘルプ支援センター
■NPO法人 日本マルファン協会
■きらめき会
■いしかわSCD・MSA友の会
■ しらさぎアイアイ会
■ (一社)全国膠原病友の会・
滋賀支部・大阪支部
■ 腎性尿崩症友の会
■ 沖縄県網膜色素変性症協会
■ NPO法人 線維筋痛症友の会
■ 日本ハンチントン病ネットワーク(JHDN)
■ ハレバレ会